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中学校教員的雪国論 [2004 教員2年目(1校目・1年担任)]

今日は久々に自由な時間があった。
そこで学年統一の仕事を20分そこそこで切り上げて、あとの残り時間は外で遊ばせた。
雪合戦やる子がいたり、雪上サッカーをする子もいたり。
雪の上のサッカーって足が取られるから3倍くらい疲れる。
一緒になって汗かいた。楽しかった。
今回で2回目だけど、オレにとっても生徒にとっても良い時間だと思った。

しかーし(いいことで終わらないのが我がblogのいいところ)
その後の職員会議で校長直々に以下のお達し。

雪合戦は全面禁止

2年前くらいに雪玉が目に当たって失明騒ぎになったらしい。
オレが聞いてた話では雪玉に石を入れて投げたって聞いてたんだけど、今回はそんなことは関係なく
鶴の一声で全面禁止になってしまった・・・。

この一件で言いたいことは二つ。
一つ目 生徒と一緒に遊んだことのない人が考えることだなぁ ってこと

確かに雪玉で怪我をさせることはオレも恐い。
だから外に出す前にきつく「怪我をさせないこと。顔に当てたら軽い重い関係なくオレに言うこと」ということを言っていた。
その後の様子を見ていると、面白いことに普段暴れている子たちの方がそういうルールを守る。
雪合戦は人を痛めつけるためにやるものではない。
「当たった・当てられた」ことを楽しむ物。「思い切り当たった・軽く当たった」を楽しむ物ではない。
もしルールを守れない子がいたら、その子を個人的に指導すると共に、守れた子を誉める。
そういう営みに教育があるのであって、「危ないからやらせない」ということは教育の芽を摘むことだと思う。

二つ目 雪国の子が雪を楽しめないでどうする! ってこと

「日本を愛せない日本人」っていう言葉をふと思い出してしまった。
雪が嫌いな雪国人なんて、毎年数ヶ月苦痛なだけじゃん。
お金払ってわざわざ雪を求めに行く人もいるのに、目の前にある雪を楽しめないでどうする?
机に座ってする勉強なんかより数倍役に立つと思うんだけど・・・・。

以下、学級通信より引用

 16日は昼頃から雪でした。仕事を終え、夜7時くらいに駐車場に行きましたが、車には15cmくらい雪が積もっていました。車から雪を下ろすのにもかなり時間がかかりました。
 17日の朝、学校に来る途中で歩道の雪かきをしている女性を見ました。学校に近い田んぼ沿いの所だったので「自分の家の雪かきのついで」という様子ではありませんでした。「○○町」の名前が入った歩道用の除雪車は見かけたことがありましたが、個人で歩道の雪かきをしている人を見たのは初めてでした。きっと「○中の子・○小の子の通学路だから」と雪かきをしているのだろうなぁと思いました。今度会ったらありがとうを言おうと思いました。
 冬になると「見えない所で誰かが自分を助けてくれている」ということを強く実感します。あの女性も子ども達のために、朝早くから雪かきをしてくれていたのだと思います。それは「雪」という自然に立ち向かうためには、みんなで協力していかなければならないことを経験上知っているからだと思います。(以下省略)

オレはできるだけ自分のクラスの子が学校の雪かきを手伝うように仕向けている。
今月初めには、県内でも有数のある村まで雪かきボランティアに行かせた。
そのことは中学での思いでになることはもちろん、生活する上で必ず必要になる力だと思うから。
そして、みんなで一つの仕事をするって結構大事だと思うから。
自分の故郷を愛するきっかけ、人とのつながりを意識するきっかけ
色々なことに発展させられるはずなのに、ここでもまた教育の芽を摘んだ。
国際教育やら情報教育なんて必要がない地域もある。ただ雪で遊ばせるだけでも教育になる。

上から与えられたものを与えることが教育ではない。
人生の先輩として、彼らに何を学んで欲しいか。
そのこだわりが無い人は学校に要らない。そう思った。
 


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momo

こんにちは。
最近、現場のことをよく知らない人(教育委員会の偉い人や
政治家とその取り巻き)によって、
理由もよく考えずに禁止されたり
目的を考えずに必ずやるように指示されたりすることが
増えてきたような気がします。
何のためにそのことをやるのか、
何故それをしてはいけないのか、
そんなことがきちんと考えられていない気がします。
そして、それによって辛い思いをするのは
末端の教員なんですよね……
(私は都立高校の講師をしています)
by momo (2005-02-18 22:47) 

ブーゲンビリア

雪国で子どもが雪合戦するの禁止?ジョークみたいですね。
「雪で遊ばせるだけでも教育になる」には同感です。机の上の勉強だけでは育たないことがたくさんあります。
冒険や遊びが危険と隣り合わせなのは当たり前。きくちんさんのように、前もって危険な行為をしっかり教えるのも大切。危険を承知であえて遊ばせることで、子どもたちも学ぶことも多いはず。
雪合戦の中に、どれだけ多くの学びと成長の要素が詰まっていることか。学びとか成長とかいうと響きは堅いけど、人間をソフトにすることも、何より大事な成長の1つ。
うちの学校では、雪合戦や雪だるまを作る子たちを見て、職員室では「かわいい子たちだ」「田舎の子は田舎の子らしいことをして遊ぶのがいい」と肯定的な中、「去年は雪の中に石を入れて投げる子がいて怖かったけど」という話もやはり出てました。
by ブーゲンビリア (2005-02-19 09:21) 

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