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音読で外国語が話せるようになる科学 科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践 [2020 教員18年目]


音読で外国語が話せるようになる科学 科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践 (サイエンス・アイ新書)

音読で外国語が話せるようになる科学 科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践 (サイエンス・アイ新書)

  • 作者: 門田 修平
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2020/03/17
  • メディア: Kindle版




●発音解説ビデオを見た上で、対話文の音読トレーニングをした実験群は、事前の音読から事後の音読でスコアが伸びた。
●音読を行わないで、対話文のリスニング学習のみを行った統制群では、事後音読のスコアはほとんど伸びなかった。

こうして英語発音についての解説を見てから音読を行うと、学習者の発音は良くなることが明らかになりました。音読の実践だけの効果ではなく、 発音方法についての知識を提供することで、音読が発音の向上に有効であることが示された結果です。
ただ、このような研究は上述のように実は例外的で、あくまでも「発音について正確な明示的知識」を参考にしてその上で音読トレーニングを積んだことがその理由です。やみくもに音読をするだけでは、このような効果は期待できません。音読は、正確な発音を意識して実行することが発音の向上には不可欠です。この点は、音読学習の重要な留意点でしょう。 


結果は、タスク (繰り返し)の対象となる音声が2秒未満であれば、リピーティングのほうがシャドーイングよりも再生率が高いのですが、2秒を超えると、リピーティングの再生率が大幅に下降するというものでした。これは、音韻ループに一時的に保持可能な時間的制約が2秒であることを、日本人英語学習者を対象に、再確認した結果であると言えます。

音読速度の目安としては、たとえば、米国のVOAのSpecialEnglish の発話スピードは、約100wpmとゆっくりですが、通常のStandard English は約150wpmです。また、CNNのニュースなども一般には160wpm程度と言われています。 以上の数値から、150~160 wpmを標準的音読速度だと考えてよいのではないでしょうか。そうすると、音読の練習をいつも行っていると、この速度を超えた読解(黙読)力を達成することができないという指摘は、ある意味、当を得ていると言えます。


パラレルリーディング形式の音読トレーニングを採用しても、テキスト音声のリスニングと文字言語の音読とを「同時並行」でやると、実はインプット音声をほとんど聞いている余裕はありません。同時進行ではなく、タイミングをずらしてリッスン&リピート形式にして、音声インプットに十分な数と量のポーズ を入れることが非常に大事です。


指導直後の事後テストでも、 5週間後に実施した保持テストでも、簡単にしか音読をしなかった統制群よりも、黙読後に何度も音読させた実験群のほうが、明らかに表現の定着率が高いことがわかりました。この成果は、音読のみの効果とは言い難いものの、モデル音声提示をしながら、 教科書本文の黙読を行うとともに繰り返し音読を実施する方法が、英語表現を定着させていくのに極めて有効である可能性を明らかにしています。


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