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ドイツにおける精神に障害のある親をもつ子どもへの支援 [2015 教員13年目(現職派遣・修士2年目)]

CiNii 論文 -  ドイツにおける精神に障害のある親をもつ子どもへの支援 http://ci.nii.ac.jp/naid/110009890296 #CiNii

以下、上記論文からの引用・まとめです。

日本の精神疾患の患者数は近年増加し、平成23年320万人となっている。それに伴い精神障害のある親をもつ子どもも増えていることが予想される。
精神に障害のある親をもつ子どもの推定 → ドイツ13%から19%、オーストラリア23.3%
日本 → 精神障害者福祉手帳を持っている人のうち、子どもをもつ女性は17.5%

ドイツの先行研究が多い
精神に障害のある親をもつ子どもの精神障害の発症リスクは、環境要因等から、国民全体と比較して2〜10倍
子どものQOLは健常者の親の子どもと比較して「精神的健康」「家族」等に関する項目が低い
 →ドイツではこのような子どもを「忘れられていたリスクグループ」と呼び、支援を進めていた。

日本国内では精神障害者の家族研究の大半は障害者の親に関するものであった。子どもに関する先行研究は、精神障害のある親をもつ子どもの生活状況を把握した報告や、精神に問題を抱えた親への子育て支援に関する報告はあるが、就学以降の子どもに着目した研究はほとんど見られない。

子どもへの支援をみると、乳幼児期は十分とは言えないが保健所等からの支援がある。
就学以降はネグレクト家庭の不登校の小学生の中には親が精神疾患を患っている場合がある。
青年期(13〜22歳)では、自身の乳幼児期からの発達課題を充分に達成できていない上に、家族の中で介護者や家系を支える役割を担っている。
平成24年、25年度の虐待死亡事例のうち加害者が母親である392事例中、精神に障害のある事例が73事例あった。
以上ような報告はあるが、具体的な支援には至っていない。日本でも日頃からこのような親子への支援が必要である。



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発達障害の保護者がもつ困難さ [2015 教員13年目(現職派遣・修士2年目)]


児童心理増刊 「難しい親」への対応 2014年 04月号 [雑誌]

児童心理増刊 「難しい親」への対応 2014年 04月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 金子書房
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 雑誌



以下、全て↑の本からの引用&自分なりに軽くまとめたものです。

p41 金井智恵子、加藤進昌 「大人になったアスペルガー障害の保護者たち」

発達障害の保護者がもつ困難さ

【アスペルガー障害の保護者】
自閉症状をもつため、対人場面で様々な困難さをもつ。その中でも、学校内の保護者同士の交流が難しい。

理由1 → あまりなじみのない場所で、ほとんど関わりをもたないほとびとと交流することに、アスペルガー障害の人はひどく怯えることがある。見通しをもって行動することが苦手であり、見知らぬところを予測することが困難になるため。

理由2 → 行動そのものに意味がなければ、意味を見出すことができない。

理由3 → 細部の情報が常に入ってくるため、極端に疲れてしまう。

【ADHDの保護者】
時間を忘れる / 持ち物を忘れる
他の刺激にすぐに気をとられてしまうため、一つの作業を継続することが難しくなる。

発達障害をもつ保護者の困った行動

【アスペルガー障害の保護者】
こだわりがあるため、納得いかないことがあると、一方的に学校へ連絡してきたり、担任に怒鳴り散らすなど、学校側が対応に困ることがある。
また、保護者が発達障害をもつ場合には、子どもも発達障害という例も少なくないため、問題に発展するケースも多い。

自分のこだわりを押しつける / 相手の立場に立って物事を捉えることが難しい

発達障害をもつ保護者への対応

【アスペルガー障害の保護者】
ある事物にこだわりがあり、こだわることについては、相手の反応にお構いなく、一方的に話す傾向がある。そして、そのこだわりが引き金となって、クレームに発展するケースが多い。

クレームの内容を傾聴し、こだわりについて理解を示す。
説明するときには論理的に伝えるように心がける。アスペルガーは極端な男性型脳であるため、相手の立場になって考える能力は低いが、一方でどのような規則に従ってシステムが動いているのかを見抜く能力が高いためである(=共感性など、情緒的に訴えかけるコミュニケーションスタイルは不向き)

聴覚的な情報よりも、視覚的な情報が得意であり、簡潔に述べることが求められる。
 説明の時には、図で説明したり、字にして伝える。
 複数のことを同時に説明すると混乱するので、一つずつ明確に内容を説明する。

【ADHDの保護者】
大事なことを伝える場合には、手帳などに内容を書くように伝える。
メモ等も見失う可能性があるので、いつ渡すのかや再連絡(確認)の手段・タイミングも考えておく。

発達障害をもつ保護者には、障害に基づく特徴があるため、教師は発達障害の特徴を理解し、その保護者に対して適切な対応が求められる。  ←ここまでが担任の仕事か?とも思うけどね。

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