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田尻先生に思うこと [中学校現場から(教育論・教師論・学校論)]

NHKの「プロフェッショナル」の影響で田尻先生についての書き込みが多いので個人的見解を。
彼の話は2回だけ聞いたことがありますが、個人的なつながりは一切ありませんので、誤解なさらず。

部活動についてから書き始めますが、
今年の新人女子チームは地区大会で準優勝しました。
私は男子部の顧問ですが、アシスタントコーチとして決勝のベンチにも座りました。
確かに今年の生徒達はスタミナがあって走れるチームで強いですが、ベンチに座っていて一番最初に思ったことは
「今の高一の子たちに申し訳ない」ということでした。

この春卒業していった女子たちは、地区で一番平均身長が高く、バスケットも上手でした。
さらに、彼女たちの一つ上の学年の生徒が3人しかいなかったため、1年生からの試合経験も申し分なしでした。
でも、それを上手く伸ばしてあげることができず、地区4位で県大会出場(しかも地元開催だったため一つ増えた枠にどうにか入っただけ)、県大でも1回戦負けという結果で彼女たちの夏は終わりました。
おそらく、ちゃんとした指導者に教わっていたら、県で8本に入れる実力はあったと思います。
実際に、県大未勝利に関わらず、スタメン5人のうち3人に私立高校から特待推薦の話が来ました。
当時の私もアシスタントコーチとして指導に関わりましたが、今でも自分の無力さを痛感しています。申し訳ない気持ちで一杯です。

教師との出会い、仲間との出会い、一期一会という言葉はその通りだと思います。
生徒の立場からすると、「あの先生は・・・」とか「違う先生に教わっていたら・・・」ということがあると思いますが、
教員の側としても、「あの時の自分は・・・」とか「もっと自分に力があったら・・・」という思いがあります。
こう考えられない人は教員としても人間としても成長できないと思います。
「プロフェッショナル」なんだから、今までの自分・今までの生徒があっての「田尻悟郎」だと思います。
それがなければ「プロ」とは言えない。(悲しいことですが、生徒を見ない・自分を顧みない先生はたくさんいます。)

教師にとっては、数十年の教師生活うちの3年間だけど、生徒にとってはたった1度の中学校生活。
その3年間には自分のベストを尽くすし、もし仮に失敗しても、絶対にその失敗を次に生かす。
生かし続けた結果が今の田尻先生だと私は思います。
人は変われるし、変わるためには人からの指摘を受けたり、自己分析をしたりしなければならない。
変われる人は本当に強い人。

「暴力教師」は問題外です。
でもテレビを見て少しでも変わったと思うなら、あの頃の自分に対して何か考えることがあったんだろうという見方ではダメでしょうか。

同業者としての苦しみを分かるつもりなので、自分の見解を書いてみました。
決して暴力を肯定しているわけではありません。念のため。




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